海外旅行へ行こう!と決めた時、まずほとんどの方が近くの旅行代理店に行って話を聞いて決めておりますが、これでは旅行代理店の思うツボになります。
「安くするために自分で料金比較サイトを見比べてみても結局わからない」
と言う方も多いですね。
私も最初は比較サイトを見てたりしてましたが、途中で嫌になって旅行代理店を複数回って自分で比較して取っておりました。
そして旅行代理店を複数回ってから決断するまでに時間がかかり、その間に良いプランも埋まってしまうことが多々ありました。
「もっと手軽に比較できたらなぁ・・」
「一々旅行代理店に行くのがめんどくさいなぁ」
と思っていましたが、今ではこちらの比較サイトで比較してから選ぶようにしております。
このtown life旅探しを使うことで今まで面倒だった比較サイトの見比べ、さらには複数の旅行代理店へ行って話を聞いて見積もりをもらう手間を省くことができます。
行きたい旅行先を入力し旅行会社を選択するだけで家にいながら無料で見積もりが取れますよ。
さらに、「定番のツアーにないオリジナルの旅行にしたい」という場合でもtoun life旅探しを使うことでアドバイスを受けながら他にはないオリジナルの海外旅行をすることもできます。
今まで複数の旅行代理店へ行って時間をかけて海外旅行先を決めていた方や料金比較サイトを血眼になって見てた皆さんに取っての救世主になります。
この便利なtown life旅探し、海外旅行に行きたいと思った時には一度問い合わせてみてはいかがでしょうか?
みなさんは、パリと聞くとどんなイメージをお持ちですか?
シャンゼリゼ通り、エッフェル塔、ルーブル美術館・・・。
「文化と芸術の香りがする、お洒落な街。」
と思っている方も、多いのではないでしょうか?
目次
フランス・パリの治安は?
フランスはヨーロッパの中でも、犯罪発生率が高く、その中でも窃盗や詐欺が多い国です。
窃盗や詐欺は主に、観光地や地下鉄などで発生しています。
日本人がパリで犯罪の被害に遭った件数は、届け出があっただけでも、毎年約600件にものぼっています。
毎日1~2件の犯罪が発生しているという事ですね。
先日パリに行った、妻の友人の裕子さんに話を聞きました。
パリ旅行のきっかけは?
先日、主人とパリ旅行に行って来ました。
パリはスリなどの軽犯罪が多い街ですが、せっかくの旅行で被害に遭いたくないですよね。
私達もスリや詐欺が多いことは事前に知っていたものの、実際に行ってみると想像以上の危険が待ち受けていました。
私の夫は、記念日を大切にしてくれます。
そして今年も・・・。
裕子、去年の結婚記念日にはハワイに行ったけど、今年はどうする?
なにか欲しい物があれば、旅行じゃなくてもいいけど・・・。
そうね。
ヨーロッパに行ったことないから、行ってみたいわ。
ヨーロッパって広いけど、どこに行きたいの?
私、インスタとかでみるパリの風景に憧れてるの。
パリに行きたいわ。
パリか。
結構旅費がかかるな。
でもまあ、1年に1回の結婚記念日だし、仕方ないか・・・。
わかった。
じゃあ俺は、飛行機とホテルを探しておくよ。
ありがとう!
パリ旅行、楽しみだわ。
パリの治安は良くない?
パリ旅行が決まってからというもの、私達の会話の中心はパリの観光地やグルメになりました。
そして私達夫婦が、パリ旅行への期待に胸を膨らませていたころ、偶然スーパーで友人の明子に会いました。
あっ、裕子久しぶりね。
明子!元気そうね!
潤さんはどう?
元気よ!
相変わらずあちこち出かけてるけどね。
それって海外旅行?
そうよ。
まあ、2人で行く事も多いんだけどね。
裕子はどうなの?
誠さんと旅行行ったりしないの?
今年の結婚記念日には、パリに行く予定なの。
観光地もいろいろ行きたいところがあって、迷ってるんだけどね。
パリ旅行か~!
いいなあ。
あっ、そういえばこの前、潤が
「パリの治安はヨーロッパの中でも、あまり良くない。」
って言ってたから、気を付けてね。
えっ、そうなの?
治安が良くないって、悪いってことかな?
どういう風に、良くないの?
ごめんね~!
潤が言ってただけだから、よく分からないの。
帰って聞いてみようか?
大丈夫!
家に帰って誠に調べてもらうわ。
ありがとう~!
パリ旅行で気を付けることは?
夕飯の買い物を済ませると、さっき明子から聞いた話を夫に話そうと思って、家路を急ぎました。
そして、家に帰ると夫が物音に気付いて玄関を開けてくれました。
裕子お帰り~!
ただいま~!
さっきスーパーで明子に会って、聞いたんだけどパリって治安があまり良くないらしいのよ。
えっ?そうなの?
旅行に行くのに危険なレベル?
それが、明子もよく分からないみたい。
潤さんが言ってたんだって。
潤が言ってたんだったら、やばいのかもな。
俺、気になるからすぐ調べてみるよ。
地域によって危険度が違う
パリを流れているセーヌ川を基準にして、川の南側は治安がまあまあ良いんだけど、北部や郊外はあまり治安が良くないんだって。
ルーブル美術館や、シャンゼリゼ通りは?
そのあたりは南部と北部のちょうど中間地点になるんだ。
殺人のような凶悪事件は少ないので、命の危険を感じるようなことはあまりないみたいだね。
北に行くほど危険になるらしい。
有名な観光地は観光客が多いから、スリも多いって事かしら?
そうだね。
観光スポット巡りをしたいから、中心部がメインだと思うけど、もし北部や郊外に行く時は注意すればいいってことね?
北部にも有名な観光地はあるから、そこに行く時は要注意だね。
それと、ホテルをどこにしようか迷ってたんだけど・・・。
中心部の観光スポットが集まっているところは、値段は高いけど比較的安全だから、その地域で予約しておくよ。
そうね、安全はお金には代えられないからね。
スリ、置き引きに注意
日本ではよくレストランで、スマホをテーブルに置いて食事してる人がいるよね。
でもパリで同じことをすると、盗まれることが多いんだって。
置いたままトイレに行くなんてもってのほかで、ほとんどの場合帰って来た時にはなくなってるっていう話だよ。
あっ、私もレストランや、カフェでは、テーブルの上に置いたままにすることがあるわ!
もう半分癖になっているから、気を付けないとね。
あと、見える所に財布を入れるのも、スリにとっては絶好のチャンスで、ズボンの後ろポケットとかすぐ擦られるらしい。
そうね、後ろポケットに財布を入れている男の人をよく見かけるけど、あれは危ないわね。
それから、混みあった観光地や地下鉄の中でリュックを背負ってると、チャックを開けられてカバンの中の物をすられることが多いんだって。
えっ?
チャックを開けられて、気づかないものかしら?
相手はプロだから、なかなか気づかないんだって。
あとで
「あっ、チャック開いてる!」
って気づくことが多いらしいよ。
貴重品はリュックに、入れちゃダメってことね。
じゃあ、貴重品を入れるのは肩から斜め掛けにできる、バックがいいのね。
そうだね、防犯性が高いボディバッグを探してみたよ!
これなんかどう?
シンプルだから、どんな洋服でも合いそうだし、ポケットがたくさんあるから使いやすそうね。
このバッグはメインファスナーや、ポケットがバッグ後部にあるから、スリ対策になるんだよ。
詐欺に注意
嘆願書や、環境保護の為に署名をと言ってお金も寄付させるという詐欺もよくあるらしい。
そんなのに、簡単に引っかかるのかしら?
う~ん、俺もネットで調べただけだから、よく分からないけど日本人はターゲットにされているみたいだから、気を付けないといけないな。
そうね。声をかけられても立ち止まらない方ががいいってことね!
ひったくりに注意
バイクで後ろから近づいて、ショルダーバックなどをひったくる手口もよくあるんだって。
それは怖いわ!
後ろからバイクが来ても、気づかないものかしら?
とにかく、車道側を歩かないように、気を付けましょう!
本当にフランス旅行に行く?
裕子、フランスは治安が悪そうだから、行かないほうがいいんじゃないのか?
え~っ!日本みたいに、治安のいい国は世界中でもあまりないのよ。
スリや詐欺を怖がっていたら、海外旅行なんて行けないわ!
じゃあ、スリや詐欺にあうことを前提に対策をしていけばいいんじゃない?
対策って何だよ?
財布もパスポートも擦られたら、それで終わりじゃないのか?
それで終わり・・・って?
その後ご飯を食べるお金も、移動するお金もいるわ。
擦られない為の対策も大事だけど、万一擦られてしまった時の備えも大事なのよ。
万一の為の準備とは?
夫はパリの治安があまり良くないことを知り、あまりパリ旅行に乗り気ではなさそうでした。
でも長年行きたかったパリ旅行を、私は諦めきれませんでした。
そこで対策法を調べて、後日夫に話しました。
①クレジットカードは複数枚持っておく
フランスでは、現金よりクレジットカードの支払いが一般的みたいなの。
俺はクレジットで後から引き落とされるより、その場で現金で支払うほうが好きだけどな。
持っている以上に使ってしまう事もないし・・・。
日本ではそれでもいいんだけど、海外旅行ではクレジットカードの方がメリットが多いみたいなの。
例えば
- 日本円からユーロに換えるときの手数料がいらない(クレジットカードでも手数料がかかる場合もあるが、両替手数料よりはかなり安い)
- ATMからお金を引き出した直後に、ひったくりにあう危険を防げる
- 海外利用でポイントがたまる場合がある
- いざというときの保険がついている
などがあるわ。
そんなにあるんだ!
俺クレジットカード持ってたかな?
あっ、思い出した!1枚だけだけど、持ってる。
ハワイ旅行の時に作ったやつ。
フランスで主に使えるクレジットカードの種類は、VISAかMasterCardなんだって。
JCBは使えない事があるらしいから、クレジットカードの種類確認しといて。
確か、俺のカードJCBだよ。
だってハワイ旅行の時、たしかJCBカード見せれば無料で乗れるトロリーあったよな?
その時、使った覚えがあるからね。
そうね、じゃあVISAとMasterCardも作ったほうがいいわ。
そんなにいるの?
だって、1枚しかないカードを擦られてしまったら困るわよ。
確かにそうだな。じゃあ早速作っておくよ。
②貴重品は小分けにする
フランスでは基本的に観光地のトイレは有料だから、現金も少しは必要なんだけど、クレジットカード現金も1か所にまとめたら、盗られた時に困るよね。
だから、何か所かに分けておいた方がいいわ。
何か所かって?
バッグとか、服の内ポケットとか。
なるほどね。
③パスポートのコピーを持って行く
それから、万が一パスポートが擦られた時に備えて、パスポートのコピーも持っておくといいみたいよ。
そうだね。
パスポートは海外では
「命の次に大事!」
なものだからね。
私が調べたところでは、紙で持っていなくても
「パソコンに取り込んだ画像を、スマホにEmailで送信しておく。」
っていう人もいたわ。
インターネット環境さえあれば印刷できるしね。
➃wi-fiレンタルの予約をしておく
あっ、そういえば海外出張の多い友人が、海外旅行に行く前にwi-fiレンタルをしたほうがいいって言ってたよ。
海外で日本と同じようにスマホを使って高額請求されたり、無料wifiを使って個人情報を盗まれたことがあるらしいんだ。
それは怖いわ!
早速レンタルの予約、しておきましょう!
wi-fiレンタルについて、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
⑤海外旅行保険に入っておく
盗難に遭ったとき、現金は返ってこないけど、たいていの物は海外旅行保険に入っておくと補償されるから入っておきましょう。
えっ?
でも裕子、クレジットカードに保険が付いてるって言わなかった?
そうなんだけど、それだけでは十分じゃない場合も多いのよ。
まずは、クレジットカードにどれだけの補償がついているか調べてみましょう!
もちろん盗難だけじゃなく、ケガや病気になった場合の治療費も補償されるわ。
確かに、海外の医療費って高いって聞くもんな。
不足分を補う意味でも、入ったほうがいいね。
海外旅行保険についてはこちらの記事を参考にしてくださいね。
⑥あまり海外に行くことが無い方は
俺の友人の話だけど、初めての海外旅行でクレジットカードを止められたんだって。
なんで止められたの?
不正利用されたの?
いや、アメリカに行く時に香港で乗り換えたらしいんだけど・・・。
香港の空港でクレジットカードで買い物して、アメリカ到着後に使おうとしたら、使えなかったらしい。
カード会社に不正利用と判断されて、止められたんだろうな。
じゃあ、あまり海外に行ったことのない人は、念のためカード会社に、海外に行くことを伝えておいた方がいいのかしら?
そうだね。
そのほうが安心だね!
百貨店や観光地で
私達は旅行の前に下調べをし、万全の準備をしていきました。
これで、危険な目に遭うことはないはず、と思っていたのですが・・・。
百貨店のエレベーターで
今日は初日だし、遠くへ行かずにショッピングがいいと思うんだけど。
そうだな、俺も時差ボケでしんどいし。
百貨店ならすぐホテルに帰れるから、そうしよう。
百貨店に買い物に行き、エレベーターが来るのを夫と2人で待っていました。
エレベーターが空き、乗り込もうとしたちょうどその時です。
カシャーンと音がして、高齢男性のメガネが落ちて割れました。
すかさずエレベーターに乗り込み、拾ってあげようとしたら、夫に腕を引っ張られました。
上の階のお店に行くんじゃなかったの?
エレベーターに、乗り損ねたじゃない!
裕子が乗り込んでメガネを拾おうとしたとき、後ろの男が裕子のバッグに手を伸ばしていたんだ。
拾ってたらそのすきに擦られてたよ。
エレベーターに乗っていた高齢男性と、私の後ろから乗ろうとした青年はどうやら仲間のようでした。
ミサンガ売り
今日はサクレ・クール寺院に行かない?
美しいステンドグラスが見たいの。
ドームからはパリの街が一望できて、眺めも素晴らしいみたいなのよ。
モンマルトルだから、北部だけど大丈夫かな?
周囲の人や状況に気をつけたら、大丈夫じゃない?
折角だから、行きましょう!
治安があまりよくないとは聞いていましたが、駅を降りてからの道はゴミや吸い殻が多かったり、怪しい雰囲気の人たちがたむろしていました。
サクレ・クール寺院に続く階段を上っている時、数人の男性がこちらへ向かって歩いてくるのが見えました。
手にはミサンガを持っています。
押し売りだと分かっていたので、目を合わさないようにして足早に通り過ぎようとしたのですが、ひとりの男が目の前に立ちはだかりました。
もう一人が、私の手にミサンガを巻こうとしてきます。
なんとか巻かれないようにしていた時
裕子!
と夫が腕を引っ張ってくれて、必死で振り切り走って逃げることができました。
さっきのあれ、怖かったね。
ああ、俺たちは逃げられたからよかったけど、腕をつかまれて巻かれてる人もいたよ。
グループでやってるのね。
ホント、逃げきれてよかったわ。
嘆願書のサイン
ミサンガ売りを振り切れて、ホッとした直後の事です。
少年数人が、歩いてくるのが見えました。
Can you speak English? (英語を話せますか?)
よく見ると、その中の一人が手にボードを持っています。
これは、日本を出る前に誠が調べてくれた嘆願書詐欺だわ。
立ち止まっちゃダメ!
と思った直後、周りから集まったたくさんの少年少女にとりかこまれ、身動きが取れなくなりました。
ボードを差し出す少年に
「ノン!」
と言って押し返していると、後ろから私が背負っていたリュックやボディバッグに手を入れられている気配を感じました。
すると夫が
ウォォォー!!
と大声を出してくれたので、驚いたのか少年たちは去って行きました。
裕子、大丈夫?
うん、リュックには貴重品はいれてないし、ポケットも小銭しか入っていないから、大した被害じゃないわ。
突然、取り囲まれて驚いたな。
うん、急に取り囲まれて、足がすくんで動けなかった。
ミサンガ売りの時とは違って、子どもだから最初は油断してたわ。
嘆願書詐欺なんて引っかかるのかなって思ってたけど・・・。
こうやってサインされられたり、寄付されられるんだって、分かったわ。
取り囲まれると、身動きできないものね。
ルーブル美術館
翌日、ルーブル美術館に行きました。
日本でも何度も目にしたことがある、有名な絵画が展示されていました。
もちろん、本物を見るのは初めてで、その素晴らしさに圧倒されるようでした。
一枚の絵の前で、立ち止まり見とれていた所、夫が小声で私にささやきました。
裕子、スリがいる!
えっ?
前に学生いるだろ?
多分あの子が狙われていると思う!
夫に言われて前方を見ると、学生の後ろに無精ひげをはやした、作業着姿の男性がいました。
確かにあの子、絵に夢中で周りに注意を払ってないわね。
しばらくすると立ち去りましたが、私達のいる場所からは、学生のカバンから何か盗ったのかはっきり分かりませんでした。
なにか盗ったようには見えなかったわ。
誠の思い過ごしじゃないの?
去っていく時の姿を見たけど、絶対なにか盗ってると思う。
はっきり見えなかったけど、プロだから分からないように盗るんだよ。
ふ~ん。そうなのね。
なんかあの子が気の毒だわ。
なにか盗られていないかの確認のために、声をかけようか迷ったのですが
「おそらく言葉が通じないだろう。」
と思ってやめました。
それからもその学生は、熱心に絵画を鑑賞していました。
携帯電話
ルーブル美術館を出て、セーヌ川沿いを歩いていた時の事です。
良いお天気で、私達は美しい景色に見とれながら、歩いていました。
すると前を一組の夫婦が歩いていて、川岸で写真を撮り始めました。
その時
と声をかけてきた女性がいたので、その夫婦は携帯を渡して撮ってもらおうとしていました。
女性は写真を撮った直後、携帯を持ったままどこかへ走り去っていきました。
その夫婦は、予想外のできごとに、ただただ唖然としていました。
知らない土地で携帯を盗られたら、どうしていいか分からないわ。
俺たちも気を付けよう!
警察官に呼び止められ
通りを歩いていると、警察官に呼び止められました。
スミマセン、ニホンジンデスカ?
パスポート、カクニンシマス。
パスポート見せてって、言ってるわ。
「犯罪の多いパリでは警察官がパトロールしている。」
「求められたらパスポート見せないといけない。」
って聞いたことがあるよ。
身なりも立派な警察官だったので、私達はすっかり信用してしまいました。
夫がパスポートを見せると、警察官は旅券番号などをチェックしていましたが、すぐに
スリガモッテイタ、パスポートト、オナジマエデス。
パスポートナンバー、カクニンシマス。
というと、車に乗りそのまま立ち去ってしまいました。
地下鉄(メトロ)で
親切そうな青年
地下鉄(メトロ)の駅でチケットを買おうとしたとき、親切そうな青年が英語で声をかけて来ました。
片言の英語でしたが、どうやら券売機ではクレジットカードしか使えないと言っているようです。
多分、やり方を教えてあげるから、クレジットカードを貸してと言っているわ。
他人にクレジットカードを渡すのって、大丈夫なのか?
親切そうな青年だけど・・・赤の他人に預けるのは不安だわ。
やめましょう。
不安を感じた私達は、断って一旦その場を立ち去ました。
しばらくして戻って来た時、偶然その青年が走り去るのが見えたのです。
もしやと思い、券売機の方を見ると、1組の男女が誰かを待っている様子でした。
多分、あの人たち騙されているよね。
でも気づいてないみたいだよ。
とりあえず現金でチケットを買ってみましょう。
問題なく買えたね!
あれが詐欺だったって、はっきりわかったよ。
あんなに人のよさそうな青年だったのに・・・。
人は見かけによらないわね。
改札で見た光景
切符を買うために改札へ向かって歩いていると、目の前に日本人らしい男性1人と、その後ろに外国人男性2人が歩いていました。
日本人の男性が改札に入ろうとしたとき、1人の外国人男性が日本人男性の前に割り込んで入って来ました。
そして、日本人男性に続いて、もう一人の外国人男性が改札に入って行き、3人が数珠つなぎのようになりました。
私達からは後ろの外国人男性が、前の日本人男性のバッグに手を入れているように見えました。
あれっ?前の人たちなんか不自然よね。
あれってもしかして・・・?
と夫と2人で顔を見合わせました。
満員電車の罠
たくさんの人が電車を待っているわね。
フランスの電車は時間通りには来ないから、大幅な遅れで電車を待つ人が増えたんじゃないか?
そうかもしれないわね。
しばらくホームで電車を待っていると、かなり遅れて電車が到着しました。
そして、私達に続きホームで待っていた人々も乗って来ました。
こんなにたくさんの人に、もみくちゃにされたら夫と離れ離れになるわ。
と私は何とかその人ごみから離れようとすると、少し離れることができました。
夫を手招きして呼びましたが、男性2人の間に挟まれて移動できない様子でした。
降りると夫が
裕子、俺・・・やられたよ。
やられたって?
満員電車に乗って来た、男たちはみんな仲間なんだ。
二人が左右から俺に過度に密着して、身動きが取れなくなって
「まずい。」
と思ってたら、カバンの中の財布を盗られたよ。
盗られていることは分かってたけど、どうすることもできなかった。
えっ?そうだったの?
私はホームにいた人々が集団詐欺グループだったことも、私達が狙われていたことも、全く気づきませんでした。
偶然入ったカフェで
偶然の出会い
まったく、どうなってるんだ?この街は!?
観光地には至る所にスリがいるし、警察官まで信用できないなんて!
パスポートまで盗られて、飛行機にも乗れないじゃないか!!
まあ、私もショックだから気持ちは分かるけど・・・。
ちょっとそこのカフェでお茶でも飲んで、落ち着こうよ!
私は夫をなだめながら、ふと目についたお洒落な小さなカフェに入りました。
木目のドアを開けたとたん、温かな笑顔の女性が出迎えてくれました。
こんにちは!いらっしゃい。
えっ?
日本人の方なんですか?
そうよ。連れ合いがフランス人だから、一緒にここに来てカフェをやってるの。
佳代子といいます。宜しくね!
どうして、私たちが日本人だと分かったんですか?
う~ん、服装とかお化粧とかなんとなく雰囲気で分かったわ。
ご注文は?
とりあえずコーヒー2つお願いします。
私はサンドイッチも頂こうかな?
誠はどうするの?
俺は、食欲ないからコーヒーだけでいい。
コーヒー2つとサンドイッチね?
すぐできるから、ちょっと待ってね。
被害に遭ったときの対処法は?
誠、そんなに落ち込まないで!
はい、お待たせ。
ところで、何かあったの?
パリについてから、いろいろと・・・。
スリにあったり、詐欺にひかかったりして、財布やパスポートも盗られてしまって・・・。
それは大変!
警察には届けたの?
それが、偽警察官の詐欺にあったので夫が
「誰も信用できない!」
って落ち込んでるんです。
警察には絶対行かないとだめよ!
盗られたものは?
私の小銭入れと、夫の財布、夫のパスポートです。
あっ、夫の財布にはクレジットカードも入っていました。
多分そうだろうなと思ってたの。
私もパリに来た頃、詐欺やスリに遭ってよく落ち込んだわ。
気持ちはよく分かるけど、今はとりあえず、しないといけない事があるの。
コーヒーを飲んで落ち着いたら、最低次の3つはしてね!
- クレジットカード会社に電話して、カードを止めてもらう
- 警察に被害届を出す
- 大使館に行って、パスポートの再発行をしてもらう
それがクレジットカード会社の電話番号がわからなくて・・・。
警察に行ってもフランス語も分からないし・・・。
それに帰国は3日後なんですけど、パスポートの再発行なんてできるんですか?
警察は英語でも通じるし、被害届には日本語も併記されているから分かるはずよ。
困った時は、在フランス日本国大使館の、ホームページを見て。
盗難の場合のクレジットカードの連絡先が書いてあったり、警察への届け出の案内をしてくれるわ。
パスポートの再発行が帰国日に間に合わない場合は
「帰国のための渡航書」
の発給をしてくれるはずよ。
ありがとうございます!
早速ホームページを確認して、手続きします。
パスポートの盗難の防止や対策について、詳しくはこちらの記事を参考にしてくださいね。
それと、海外旅行保険には入ってる?
もし入ってたら、盗難の場合の補償されるんじゃない?
あっ!
海外旅行保険入ってます。
病気だけだと思い込んでたから、すっかり忘れてました・・・。
佳代子さんのお陰で、私達は無事すべての手続きができました。
保険会社にも確認すると、現金以外の物は全て補償が受けられるという事でした。
私も夫も、心からほっとしました。
次の日もまたカフェへ
私達は佳代子さんに会いたくなって、翌朝も佳代子さんのカフェへ行きました。
あら、昨日と顔が違うわね(笑)
笑わないでくださいよ・・・。
昨日はどん底だったんですから。
パリの観光で大切なことは
佳代子さんは、今は被害に遭うことはないんですか?
そうね、私は現地の人に紛れてるし、いつもフランス人の連れ合いと一緒にいるしね。
観光客だと思われると狙われやすいから、できるだけ現地に溶け込むことが大事ね。
具体的には
- 顔を上げて足早に歩く
- 話しかけられても答えない
- 地下鉄の駅の改札や、エレベーターでは後ろを確認する
- 観光地や駅などで、たむろしている人たちに注意する
- 目立つ服装をしない
- 歩きスマホをしない
- 財布を不用意に出したり、人前でお金を数えない
- ATMでは、暗証番号を見られていないか警戒する
ざっとこんなところかな?
なるほど、犯罪者に狙われないためには、いかに現地に溶け込むかって事が大事なんですね。
自分の命を守ることが最優先
メトロの中で財布を盗られている事に気付いたのに、抵抗しなかったのは賢明だったわ。
しなかったというより、できなかったんですけどね。
堂々と盗る人には、抵抗しても無駄なの。
メトロの中でカバンを取られそうになって、抵抗した人がホームまで引きずられて行ったのを見たことがあるわ。
それ、めっちゃ怖いです。
命は一つしかないからね。
抵抗しないことも大切なのよ。
黄色いベスト運動に注意
ところで、今日はどこに行くの?
いまから、決めようと思ってたんです。
もし、凱旋門あたりに行く時には気をつけて。
この時期週末には
「黄色いベスト運動」
っていうデモをやってることがあるの。
警官隊とデモ隊が衝突して、とても危険なのよ。
燃料価格高騰等に抗議するデモで、人々が路上作業用の黄色いベストを着用してデモに参加することから、「黄色いベスト運動」と呼ばれています。
パリの魅力って?
ところで佳代子さんは、どうしてずっとパリにいるんですか?
う~ん。
まあ、連れ合いがフランス人なのもあるけど・・・。
パリの魅力に憑りつかれてる、っていうのもあるわね。
えっ、パリの魅力?
それって何ですか?
私がパリに惹かれる理由は
- 1年を通して穏やかな気候
- 世界的に有名な美術館がある
- 幻想的な街並み
- 歴史を感じる建築物がある
こんなとこかな?
パリにいる間、いい所も見つけて楽しんでね!
はい、さっき教えてもらった注意点を頭に入れて、残りの旅行を楽しみます!
前向きで良いわね!
佳代子さんのお薦めの、観光スポットを教えて下さい。
そうね、私のお薦めは
- オルセー美術館
- エッフェル塔
- 凱旋門
ってとこかな。
その後のパリ旅行は?
私達は旅の締めくくりに、佳代子さんお薦めのスポットに行ってみることにしました。
オルセー美術館
オルセー美術館には、
- ミレー
- ゴッホ
- セザンヌ
- ゴーギャン
- ルノワール
などの、有名な画家の絵画がたくさん展示されています。
- 営業時間:火・水・金・土・日 9:30~18:00、 木 9:30~21:45
- 休館日:毎週月曜日・5月1日・12月25日
- 入場料金:14ユーロ(18歳以下は無料・16:30分以降の入館は11ユーロ)
「これ、学校の美術の教科書で見たことある!」
と思うような有名な絵画を生で見ることができて、テンションが上がりました。
それほど絵画には興味がなかったのですが、建物もとても美しくて惹かれました。
エッフェル塔
パリのシンボルともいえる、エッフェル塔。
エッフェル塔を含む、セーヌ川流域は世界遺産となっています。
1889年の完成から、2017年9月までに訪れた観光客は3億人を超えています。
遠くから見えるエッフェル塔もいいけど、近くに行って見上げると、圧倒されるわね。
「鉄の貴婦人」と呼ばれるだけの、美しさがあるわ。
第三展望台からはパリ市内が一望できて、良かったね。
- 営業時間:9:30~23:45(6/15~9/1は0:45)
- 休館日 :なし
- 入場料金:最上階までエレベーター利用・17ユーロ、2階までエレベーター利用で11ユーロ、2階まで階段利用で7ユーロ(24歳以下は割引料金になります)
凱旋門
シャンゼリゼ通り近くの、シャルル・ド・ゴール広場にそびえたつ凱旋門。
エッフェル塔とともに、パリで最も有名な観光スポットです。
- 営業時間:10:00~23:00(10月~3月は、23:30まで)
- 休館日 :12月25日、1月1日、祝日の一部
- 入場料金:展望台は12ユーロ(25歳以下は9ユーロ、18歳未満はパスポート提示で無料)
彫刻が精巧でとても美しかったよね。
思わず見入ってしまったわ。
そうだね。
俺も目を奪われたよ。
284段もある螺旋階段を上るのはとても大変だったけど、展望台からの眺めはとても素晴らしかったね。
うん、眺めがとても良かったわ。
デモもやっていなくて、安心して観光できたよね。
注意して行動すると、犯罪に遭う確率は減るのね!
そうだね!
旅の終わりが、いい思い出になって良かったな!
パリ旅行を終えて
色々あったけど、やっぱりパリ旅行は楽しかったね!
そうだな、ほんと色々あったけど・・・。
でもやっぱりパリに来て、日本では見られないような、中世の歴史を感じる建物や、有名な絵画の実物を見れて良かったな!
「歴史と芸術の街」って言われるのもうなずけるよ。
そうね。
パリの街や観光スポットも良かったけど、一番の収穫は・・・。
私達、旅人としても人間としても、一回り大きくなった気がしない?
そうだね。
旅は人を成長させる・・・か。
裕子、また来年も旅行しような!
うん!また行こうね!
来年はどこに行こうかな~楽しみだわ!!
まとめ
パリは魅力的な街ですが、安全に観光するには事前準備や注意点があります。
事前準備は
- クレジットカードはVISA・MasterCardを2枚以上持っておく
- バッグは斜め掛けできるボディバッグに、貴重品を入れる
- 海外旅行保険に入る
- パスポートのコピーを持って行く
- 貴重品は小分けにする
- 普段あまり海外に行かない方は、念のためカード会社に連絡する
- wi-fiをレンタルする
などをしておきましょう。
パリ観光の注意点は
- 顔を上げて足早に歩く
- 話しかけられても答えない
- 地下鉄の駅の改札や、エレベーターでは後ろを確認する
- 観光地や駅などで、たむろしている人たちに注意する
- 目立つ服装をしない
- 歩きスマホをしない
- 財布を不用意に出したり、人前でお金を数えない
- ATMでは、暗証番号を見られていないか警戒する
などに気を付けましょう。
特に、北部や郊外に治安の悪い地域があるので要注意です。
また、凱旋門付近などで行われる「黄色いベスト運動」というデモに巻き込まれると、危険なので注意しましょう。
万一、被害に遭ってしまったときは
- クレジットカード会社に電話して、カードを止めてもらう
- 警察に被害届を出す
- 大使館に行って、パスポートの再発行をしてもらう
の3つは必ずしておきましょう。
どうしたらよいかわからない時は、在フランス日本大使館に相談してみましょう。
パリは日本人の私達から見ると、決して治安が良いとは言えませんが、日本にはない素晴らしい所もあります。
この記事を参考に、十分安全には注意して楽しい旅行にしてくださいね。
世界200ヶ国以上の国でインターネットに繋げれる方法
海外旅行先で「この風景を日本にいる友人と共有したい!」
と思って写真を撮ったけど、海外のインターネット回線は高いからホテルまで我慢。
ホテルに着いてから送信してたら感動も半減しますよね。
さらに、社会人の方でしたら「仕事の報告をメールで受けれるようにしておきたい」と考えいてる方も多いと思います。
それもホテルにいる時だけ、、、となるとかなり不便ですよね。
こんな経験ありませんでしょうか?
「できれば今すぐに送れるようにしたい!」と思うのはかなりあると思います。
そういう時に便利なのが、イモトのwi-fiです。
wi-fiに接続するだけで自分のスマホが世界200ヶ国以上どこでもインターネットに繋げれるようになりますよ。
今の時代海外旅行するには必需品ですよ。
そのことについて紹介しているのはこちらの記事になります。
実は、パリを安全に旅行するためには、注意しなければいけない事がいくつかあります。
これからパリに行かれる方の為に、できるだけ危険を避けながら、パリ旅行を楽しむための注意点や、被害に遭ってしまったときの対策について紹介します。